ドイツ現代史研究関連ブログ

西日本を中心に開催されるドイツ現代史研究関連の学会・研究会の情報をお知らせいたします。

第33回西日本ドイツ現代史学会のご案内

 第33回西日本ドイツ現代史学会を、下記の要領で開催いたします。年度末の慌ただしい時期ではありますが、奮ってご参加くださいますよう、お願い申し上げます。現在の報告タイトルはいずれも仮のものです。

 出席を希望の方、現地参加・Zoomでの参加ともに下記の登録フォームにご記入ください(受付締め切り:懇親会の手配とZoomの設定の都合上、3月15までにご記入ください。)参加希望者には開催4日前ぐらいを目安にして別途Zoom参加URLをお送りいたします。

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【日時・会場】

日時:2024年3月30日(土)〜31日(日)

会場:広島大学霞キャンパス・凌雲棟R402教室(広島市内の医学部キャンパス)、ならびにZoomでのハイブリッド開催

 

【参加費】

現地参加の方は会場費として一人500円をご協力いただきますようお願いいたします。

 

第1日目:2024年3月30日(土)

開場:12:30

開催挨拶:13:00

個別報告(13:10-:報告各30分/質疑各20分

1 佐々木淳希(獨協大学

「西ドイツ「団体法」制定の試みからみる社会の民主化の一側面」

 

2 川崎聡史(獨協大学

「西ドイツ民主主義の転換点? ヘッセン州の「過激派条令」に関する一考察」

 

3 村上遥香大阪市立大学

「1980年代の東ドイツにおける外国人契約労働者について―Gruppenleiterを中心に」(オンライン発表)

 

4 福永耕人(大阪大学

「⻄ドイツにおける軍人・軍隊像をめぐる論争」(オンライン発表)

 

総会(個別報告終了後)

議題として今回は今後の西日本ドイツ現代史学会の開催方法について皆様にお諮りいたします。その後、懇親会を広島駅周辺で開催予定です。

 

 

2日目:2024年3月31日(日)

開場:9:00

小シンポ(9:15-12:40)

東ドイツ外交史研究の新展開―東アジア政策をめぐって

 日本の東ドイツ史研究はこれまで、この国に暮らしていた人びととSED体制との関係、日常生活の実態といった政治社会史に多くの成果をあげており、ドイツ統一後の移行期の社会実態についても歴史学的視点から検討が進んでいる。しかし、外交史についてはそれほど多くの研究がなされてきたとはいえない。東西ドイツ二つの国家が冷戦の影響下で分断国家として成立しながらも、西ドイツについては、多くの外交史研究が語られてきたにもかかわらず、東ドイツのそれについてはほとんど無視されてきたといっても過言ではない。この背景には、東ドイツは、ソ連に従属した立場、ないしはその衛星国であり、自律性は存在しない、それゆえこの国の外交について評価する必要はないという、西側的な価値判断からの思い込みがあったのではないだろうか。むろん、ドイツ本国においては、ヴェントカーの通史からも確認できるように、すでに東西ドイツの間での特殊な外交関係、ソ連や東欧諸国との外交関係をはじめとして、1970年代以降の西側諸国、中国やベトナムないしはモザンビークといった社会主義体制国との関係を含めて数多くの外交史研究が出されている。

 このような研究状況を背景にしつつ、本シンポジウムは東ドイツと東アジアとの関係に着目してみたい。戦後世界で冷戦のもう一つの最前線に位置していた東アジア諸国東ドイツの関係は、社会主義陣営内部での一体性、ヨーロッパと東アジアという地理的な違い、さらには各国独自の利害関心などを考えると、多面的な評価が可能であり、再評価が著しい冷戦史についての考察をさらに豊かにする可能性を持つ。

 特に今回の個別報告では、北朝鮮と中国という二つの共産主義国東ドイツとの外交関係を問題にしたい。それぞれの報告からは、共産主義国家間の外交関係の特質や1950年代後半の中ソ対立を踏まえた東側陣営内での多様な同盟・外交関係のあり方が浮かびあがるだけでなく、東側からみた場合の冷戦の実態について、ヨーロッパと東アジアにまたがる世界史的な評価を試みることができるのではないだろうか

趣旨説明・司会

河合信晴(広島大学

報告:各40分

1 川喜田敦子(東京大学

「冷戦期の東ドイツ北朝鮮関係 朝鮮戦争後の咸興復興支援を中心に」 

 

2 熊野直樹(九州大学

人民公社と大豆をめぐる東ドイツ=中国関係」

 

3 田嶋信雄(成城大学

東ドイツ=中国関係と世界政治の変動 1978-1990」

 

(休憩:11:20-11:30)

コメント:各20分

板橋拓己(東京大学

ドイツ現代史の側から

山本晶子(慶応義塾大学)

日本近現代史の側から 

討論

閉会挨拶

 

【会場・交通案内】

 霞キャンパスには広島駅南口バス乗り場Bホーム10番から出ている路線バスに乗車してください。広島みなと新線 (大学病院・県立広島大学宇品東・広島港方面)、まちのわループ右回り (段原中央・大学病院・旭町・県病院方面)。「大学病院前」にてお降りください。なお、途中停車バス停に「大学病院入口」がありますが、そのままご乗車ください。

 会場地図については下記案内図をご覧ください。

【宿泊場所】

 宿泊は各自でご手配ください。近頃の状況を考えますと早めにご手配ただいたほうが確実かと思います。広島駅周辺が移動も含めて便利です。私学共済の広島ガーデンパレスの他、ビジネスホテルも多くあります。

 

【懇親会について】

 懇親会費:有職者は7,000円、非有職者は3,000円を予定しております。懇親会への参加希望、ないしはキャンセルについては必ず3月15までにご連絡ください。当日キャンセルは参加費を申し受けることになることになりますので、ご注意ください。

 

【当日のゴミについて】

 会場での飲食は可能ですが、ゴミについては各自でお持ちかえりいただきますよう、ご協力をお願いいたします。

 

物語 東ドイツの歴史-分断国家の挑戦と挫折 (中公新書)

政治がつむぎだす日常―東ドイツの余暇と「ふつうの人びと」

歴史としての社会主義: 東ドイツの経験

東欧からのドイツ人の「追放」:二〇世紀の住民移動の歴史のなかで

ドイツの歴史教育

引揚・追放・残留―戦後国際民族移動の比較研究―

ナチズム・ホロコーストと戦後ドイツ (現代ドイツへの視座―歴史学的アプローチ2)

ドイツ国民の境界: 近現代史の時空から

麻薬の世紀: ドイツと東アジア 一八九八-一九五〇

ドイツ=東アジア関係史 1890-1945──財・人間・情報

政治史への問い/政治史からの問い (法律文化ベーシック・ブックス)

極東ナチス人物列伝: 日本・中国・「満洲国」に蠢いた異端のドイツ人たち

ナチス一党支配体制成立史序説―フーゲンベルクの入閣とその失脚をめぐって

社会主義の世紀―「解放」の夢にツカれた人たち

日本陸軍の対ソ謀略: 日独防共協定とユーラシア政策

ナチス・ドイツと中国国民政府―一九三三‐一九三七

ドイツと東アジア 一八九〇-一九四五

戦後日独関係史

ナチズム極東戦略―日独防共協定を巡る諜報戦 (講談社選書メチエ)

歴史のなかのドイツ外交

黒いヨーロッパ――ドイツにおけるキリスト教保守派の「西洋(アーベントラント)」主義、1925~1965年

中欧の模索 ドイツ・ナショナリズムの一系譜 (創文社オンデマンド叢書)

分断の克服 1989-1990 ――統一をめぐる西ドイツ外交の挑戦 (中公選書)

アデナウアー - 現代ドイツを創った政治家 (中公新書)

複数のヨーロッパー欧州統合史のフロンティア

現代ドイツ政治外交史:占領期からメルケル政権まで (Minerva Modern History)